近藤紘一著
1976年の作品。読むきっかけは、バーチャルでベトナム旅行を楽しんでる時に
ガイドブックに「旅に出る前に読むとなおいっそう楽しめる。」とかで
お薦めされていたので、読んでみようかなぁ〜と思った作品。
あまりにも圧倒的な現実を暖かかい文章で愉快に書き上げてる作品。
こんな作品に出会えるから本を読むのをやめられないなぁっと
思った次第です。
時代はサイゴンからホーチミンへと政権交代する時期。
30年にわたるアメリカとのベトナム戦争後、南北の自国戦争の時代。
近藤紘一さんが特派員として過ごしている時期のエッセイです。
(とざっくりくくれないジャンルだと思うのですが、他に言葉を知らないので
すいません。。。)
現実は戦争でつかれきっている市民といううわっつらな文章じゃないのに
まずびっくりします。でも戦争の状況はわかります。
奥様と娘さんとの出会い、日本へ帰ってきたからの生活、その後のサイゴン
など近藤紘一さんの生活をのぞき見する楽しさとその当時のベトナムと
もっと昔からのベトナムの人達の人間味が満載で、
著者の優しい人間性が文章で出ています。なんてあったかいんだろうっと。
著者はすでにガンで亡くなられしまってますが、娘さんが結婚してフランスに行き、
お母さんと一緒に住んでるそうです。
亡くなられてると知って本当にがっくりしました。
なんてことは、この本自体には書いてなくて覗き見する楽しみからついつい
後々まで気になって調べてしまったのですが、知りすぎるのもいけませんなぁ。
ベトナム旅行前に読むとベトナム人の気質がわかるような気がして
確かにガイドブックのお薦めも納得しました!